このようなコロナ禍において、非常事態宣言が発令され、特に大規模塾などは休校を余儀なくされています。多くの塾がオンライン授業に切り替えて進めていくという授業形態に移行していますが、今まで通塾で対面授業をしていた子が、いきなり家でオンラインでしっかり勉強できるのか、不安に思われる保護者の方も多いのではないでしょうか。

塾が突然休校になり、何をすれば良いか分からなくなってしまった、という子も多いと思います。実はこの状況は、中学から高校への進学においても起こりがちな現象です。

私は、塾で実力を上げたいと考えている子の意識を大別すると「利用」と「依存」の２つに分かれると考えています。

今このような情勢になっても、「利用」している意識で、塾でも自分でしっかり考えて勉強に取り組めていた子は、塾に行けなくても勉強できていると思いますし、高校生になってもつまずくことなく、塾にも頼ることなく独力で勉強していくことができると思います。

一方で、塾で言われたことをただこなしていただけの「依存」意識の子は、塾の指示が無くなった今、何をすればよいか分からなくなってしまっていると思います。高校に進学し中学まで通っていた塾を卒業した子が、「何をどのように勉強すればよいか分からなくなった」と言って５月ごろに相談してくる子が毎年います。それと同じ状況が今起こっています。このような状態になって初めて、自分が塾にどれほど「依存」していたのかが良く分かると思います。ですからいいきっかけと考えてみてはどうでしょうか。

塾に行けなくなった途端、自分で勉強できなくなる、なんていうのは高校生になって一気に成績を下げる子の典型です。まずは、今まで自分は塾に依存していたんだな、と認識した上で、自分でどのように勉強をしていくのかよく考えてみましょう。何をいつまでにどのように進めていくのか。１ヶ月で目の前のテキストを終わらせようと思ったら、毎日どれくらいのペースで進めて行く必要があるのか。分からないところが出てきたら、どのように対処するのか。理解できたことを定着させるためにはどうすればよいのか。今まで塾が全部やってくれていたであろうことを、自分で考えて取り組んでみましょう。その経験が、高校生になった時に確実に生きていきます。今後塾へ復帰した際、「これなら自分でもやっていけるかも」と思えるくらい成長できるかもしれません。

何度も言いますが、塾に行かないと何もできない、なんていうのはナンセンスです。車で言うなら塾はあくまでカーナビです。運転手である自分が、自分の中のやる気のエンジンを回さなければ前へ進みません。塾がエンジンになってしまっている子、塾が運転手になってしまっている子は、これを機に一度考えを改めて、自分で考えるきっかけにしてみてはどうでしょうか。

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