当塾の高校３年生は、昨年末に受験勉強に関する個別面談を実施し、受験生としての意識や取り組み、計画などを確認しました。１月からカリキュラムを進め、４ヶ月を迎えようとしています。

１月から受験生としての意識に切り替えてもらう目的で面談を実施しましたが、部活をやっている子も多く、完璧に切り替えられるのは引退後かなと思う部分も内心ありました。とりあえずやるべきことはしっかり取り組んでもらった上で、意識は部活引退後にはしっかり切り替わるだろうと思っていました。

しかし残念ながら、今年はその「受験生としての意識の切り替えきっかけ」が無くなるかもしれません。それどころか、受験の山場と言われる夏休みすらなくなってしまうかもしれないのです。

例年、受験生の中には、「夏休みから本腰入れて頑張るタイプ」や 「部活を引退してから本気出すタイプ」が一定数います。というよりも多くの子がそういった取り組みをイメージしているかもしれません。しかし、今年はそれができません。自分自身でどこでスイッチを切り替えられなければ、このままずるずると時間だけが経過していき、気づいたら年末。コロナ禍が落ち着き、国が経済を一刻も早く復旧させようとする思惑の中で、受験日程は例年通り、なんてことになれば目も当てられません。

今年は多くの学習時間を確保でき、受験生のレベルが上がるという声もありますが、一方で、自力でその時間を有効に使えない子は、相対的にレベルを落とすことになります。「やってない」は現状維持ではなく、後退であることを心に留めておかなければなりません。

今のこの休み中にまともに勉強できていなかったら、受験のための復習はいつやれるのでしょうか。去年までは、最悪夏休み中に復習して基礎固め、みたいな提案もできなくもなかったですが（それでも個人的にはかなり遅いですが…）、今年は本当にまとまった復習時間が今後取れません。受験生は、今が受験の山場であることを自覚しなければ手遅れになります。

この記事を書いている時点で、県立高校の休校期間が５月末まで延長されることで最終調整に入ったようです。３月頭からの約３ヶ月。しかも外に出られず勉強するしかない３ヶ月です。やっている子は本当に実力を伸ばしていると思いますし、サボっている子、あるいはやった気でいる子は、どんどん置いていかれていることを自覚しましょう。