よく受験はマラソンに例えられます。スタートは目標に向かって受験勉強を始めた日、ゴールは受験当日です。最初から飛ばし過ぎるとすぐにばてたり、最初ペースが遅すぎると、後半焦ることになったりするので、ペース配分も重要になります。

もちろん個人的には、受験勉強はマラソンよりもっと繊細で綿密な計画や戦略が必要だとは思いますが、分かりやすい例えではマラソンが合っているとも思います。

ただ１点マラソンと大きく違うところがあります。それは「本人がきつい状況にいるときに周りがそれに気づきにくい」ということです。マラソンなら、表情や走るペースで周りが察知してくれます。周りが気づけば、適した対応をしてくれます。一方で受験勉強では、きつい状況にいることに周りが気づきにくいのです。

なぜなら本人ですら自分がきつい状況にいるのかどうかが分かりづらいからです。本来はペース的にきつい状況にいるにも関わらず、本人がそのことを理解しておらず、本人を見てる周りの人も、平気そうに走っている本人を見て、「大丈夫だ」と思ってしまいます。

受験生は、受験勉強の取り組みについて、分からないことがあればそれを自分から相談するという自発的な行動が必要不可欠です。それによって、周りもその子がどういう状況にいるのかが分かり、対応ができます。

私は自分の勉強法についてしっかり考えたり、周りに意見を求めたりしませんでした。それは、意見を求める必要がないと考えていたからではなく、そもそも勉強のやり方について意見を求めたり、相談したりすることが私の頭の中には一切なかったからです。受験勉強に対して単に無知だったのです。ですから、今考えると本当にひどい勉強をしていました。その分自分の生徒にはそうなってほしくないという思いが非常に強いのです。

当塾の高２は受験勉強が本格スタートしました。カリキュラムを渡して、期限も決めています。しかし進め方については、分からないことがあったり、思うように頭に入ってこなかったり、思うように進まなかったりすれば、相談してもらって適宜修正していくことを言ってあります。こまめにそういった相談をしてくれることで、軌道修正がしやすくなります。

周りに頼ったり、アドバイスを求めることは全く恥ずかしいことではありません。受験生は受験素人です。素人に対して、そんなことも分からないの？などという大人はいません。しっかり意見を求めて、相談して軌道修正しながら取り組んでいきましょう。塾に通っていない子は学校の先生などに意見を求めましょう。