当塾で指導するにあたって、目先の理解を優先することはありません。定期テストはあくまで通過点に過ぎず、最終的には大学受験にまで対応できる学力と勉強法を身に付けることが塾としての目標だからです。

私はよく、定期テストで点数を取るためだけの勉強、という表現をします。お子様は定期テストにしか対応できない勉強をしていませんか？

まず最初に誤解のないように言っておきますが、私は定期テストの点数を取ることを否定しているわけではありません。定期テストの点数を取ることでやる気と自信につながり、自発的に勉強できるようになることもあります。しかし、定期テストでできることが必ずしも実力がついていることではありません。

定期テストにしか照準を合わせていない勉強の例としてよくあるのが、課題の答えを暗記することです。

ある塾では、テスト課題を何枚も印刷してひたすら解きまくる勉強をしているようです。テストで確実に出る問題を覚えるまでやれば、点数にはつながるでしょう。しかし高校に進学しても同じようにやれるのでしょうか。中学の定期テスト限定で点数につながる勉強をさせて、高校に進学したら、あとは自分で頑張れ！というのは無責任に感じてしまいます。

また、むやみにやり方を覚える、というのも問題ありの勉強です。

なぜそうなるのかを理解した上で解いているのなら、解くパターンを覚えるということに何の問題もありません。高校の勉強は大体こんな感じです。

問題は、なぜそうなるのかを理解していないのに、テストに出るからそのやり方だけ覚える、という取り組みです。テストで点は取れても、模試や入試では当然解けません。

根本から理解するには１，２年の内容に戻って指導しなければいけないので、時間もかかりますが、それができれば記憶に定着しやすくなり、いろいろな問題パターンにも対応できるようになります。

ちょっと出題パターンを変えられただけで一気に対応できなくなっているようなら、それは定期テストだけに照準を合わせた勉強をしていたということです。

９月の定期テストで点数が良かった子でも、本当に実力がついているかはわかりません。

特に中１、中２は学診が学年末にあるくらいで、それ以外で今まで学習したことが定着しているかどうかを客観的にみることができません。3年生になったときに苦労しないように、今から正しいやり方で知識を長期記憶にできる勉強を進めていきましょう。