高校に進学したはいいものの、その環境になじめずドロップアウトしてしまう、なんてことは珍しいことではありません。昔は、とにかく何とか学校に行かせることが第一、という時代で、結果無理やりにでも学校に行かされ、辛い時機を過ごした子もいると思います。今のご時世、「無理して学校なんていかなくていいよ」と子供に選択肢を与えることが善とされているわけですから、今後もっとこういった子が出てくることは容易に予想されます。

さてこういった子が増えていく中で、一つ考えるべきことは、「高校を中退することと、在学し続けることのどちらがその子にとって最終的にプラスになるのか？」ということです。

高校中退そのものにいいも悪いもありません。通うのが本当に嫌ならやめるのも当然１つの選択肢です。辞めたあとは、どれほど自分の人生を自分で考えることができるかで、その後の人生は豊かにもなるし、いばらの道にもなるでしょう。

私が面談でそういった相談を受けたときは、とりあえず楽なのは在学し続けることだと言います。何も考えず与えられたことをこなして、辛くても時間さえ経てば勝手に高卒資格が得られます。

一方で、不登校の子でも、中退した子でも、繊細な心の中にもバイタリティーがあり、自分で壁をぶち破るような精神力を内に秘めている子をたくさん見てきました。そういった子は、環境が変わっても、その先で努力することができ、結果中退して正解だったね、と言える結果を出すことができます。

逆に、今まで努力をしたことがない子、自発的に何かに打ち込んだことがない子、とにかく周りの言うとおりにしか動いていなかった子、などはかなり厳しい現実が待っていると思います。

私が以前当塾で見ていた子は、普通科の高校をドロップアウトして通信制の学校に編入し、そこで努力を重ねて、関西の有名私立大学に推薦で進学しました。この辺の中堅の公立高校を中退して、有名私大の推薦を狙うというのも一つの選択肢としてありかもしれません。もちろん学校によりますが。

高校中退や不登校をプラスにするのも、マイナスにするのも結局自分の考え方と行動次第です。高校生活が始まって１ヶ月半が経ちました。そういった部分で悩み始めている子も出てくるころです。周りに相談しつつ、自分でよく考えて、道を選択していけるといいですね。塾も一つの選択肢、相談場所として考えてもらいたいと思います。