中学の理科や社会、英語の単語や表現など、勉強と暗記と言うのは当然切っても切れない関係になります。むしろ中学レベルなら５教科暗記科目と言ってもよいくらいです。社会や理科などは特に深掘りすれば、高校範囲まで突入してしまいますから、大まかな仕組みだけ理解した上であとは丸々覚える、という作業に頼らざるを得ないからです。

さて、暗記教科が特に得点できない、覚えるのが苦手、という子も多いと思います。私はこのブログでも度々言っていますが、「暗記が苦手」と言っている子の大半は、短期間で一気に多くの事項を頭に入れようとして失敗している子です。それをやれと言われたら、私も暗記なんてできないと言いたくもなります。

今の時期、中学生はテストも終わり、次のテストに向けて授業が始まっていますね。理科や社会の授業も進んでいると思います。今日、学校の授業で学習したことを覚えていますか？昨日習ったことを説明できますか？

しっかり予習をしたうえで臨むなど、意識的な取り組みができている子以外、ほとんどの子ができないと思います。後者が大多数です。しかしその程度には個人差があります。ほとんどすべてを忘れてしまっている子もいれば、ポイントだけは覚えている子、何となく言っていたことは説明できる子など、全員同じ定着度ではありません。その差はどこから来るのか。

まずは意識です。勉強の根本は意識の差であると言った通り、学校の授業をどのような意識で聞いているのかが影響します。「はやく終わらないかな～」と心ここにあらずで聞いている子と、「復習するのも面倒だから、授業でしっかり理解しておこう」という気持ちで聞いている子では、スタートでの定着度が大きく変わります。

次に最初の復習のタイミングです。授業で習ったことをいつ復習しているのか、ここが大きく影響します。テストでできない子は、ほとんどがテスト週間に初めて復習します。最初学校で習ってから１ヶ月以上経っている内容を復習するわけですから、忘れていて当然です。教科書読みながら埋めるなどすれば当然時間もかかり、２回目以降の復習の時間なんて取れません。答えを写す、なんてしていれば、復習していないも同然ですから、まともに学習せずにテストを受けているのと同じことです。そんな状態では２０点３０点取って当たり前です。

一方でテストでできる子は、最初の復習のタイミングが早いです。人間の記憶力は、何時間勉強したか、よりも何回復習したか、により依存します。学校で授業を受けたその日にテキストに取り組むなど、最初の復習が早ければ早いほど、失われていく記憶の割合は少なくなります。さらにそのように進めていけば、テスト週間にはほぼ課題が終わっている状態になりますから、２回目３回目と復習でき、短期記憶から長期記憶に移行していきます。

私が中学の頃は課題に加え、１教科あたり異なるテキストを５冊ほど解いていました。それが出来れば８割は確実です。ただ私の時は３学期制だったので範囲が狭かったという背景があります。今の子が同じように勉強するには、もっと早い段階から始めないと間に合わないでしょう。

「意識」については、普段の学校の授業を受け方を改善すれば良いですし、「復習のタイミング」も今、学校の授業で習ったところから少しずつ進めていけば良いわけです。つまり、暗記科目が取れるかどうかは、普段の取り組みの質が大きく影響しているということです。暗記科目が苦手だというのなら、真っ先に改善するべきは、覚え方やテスト勉強のやり方、などではなく、今この時期の取り組みです。それを意識して取り組みを変えるだけでも、２，３０点は変わってくると思いますし、何より受験に対応できる長期記憶化した知識が手に入ります。

暗記が苦手、と言っているだけでは何も改善しません。何とかしたいと思うのなら、まずは行動しましょう。