中学生のテストも終わり、結果も返ってきて一段落しました。当塾の中学生はすでに次のテストに向けての予習を開始しているので、今回もコツコツ頑張ってもらいたいと思います。

さて、私はかねてから、テストの点数だけを取りに行くような勉強はしない、と明言しています。なぜならテストの点数が取れたことが、必ずしも実力が上がったことを指すわけではないからです。

「○○塾に入って、点数が５０点から７０点になって、順位も４０位くらい上がった！」皆さんはこれだけ聞いてどう感じますか？「すごい！うちの子もいれてみようかしら！」と考えてしまうのも無理はありません。そう考える多くの保護者の方に向けて多くの塾がこういった宣伝をしているわけです。

しかし、実は点数と順位が上がったからと言って実力がついたとは限らないのです。塾で働く人間は知っていることですが、あまり言いません。なぜ言わないかは察してあげてください。（笑）

例えば、たまにテスト範囲表にこういった文言を見かけます。

「テスト対策プリントから５０点分出します。」

「対策プリントと同じ問題を２０点分出します。」

「対策プリントと同じ問題で数字だけ変えます。」

出る内容と点数がこれだけ明確ならばもはやテストは実力を試す機会ではなく、ただの暗記ゲームです。大して内容を理解していなくても量と回数をこなして、ルートを覚えて完全に暗記してしまえば点数になってしまいます。勉強に対する意識も出来上がってない状態で、対策プリントの問題と答えを丸々覚えて、それが果たして実力になるでしょうか。ちょっと形が変われば全く対応できないのは当然のことです。

こんな勉強をして点数が取れて、満足していると受験の時に恐ろしい目に合います。学習診断テストの結果を見てみてください。定期テストより３０位以上下回っている場合は要注意です。そして運よく高校受験をクリアしても、高校生になったらもっとつらい現実をみることになります。入学当初は同程度の学力で同じ学校で同じ進度の授業を受けているのに、３年後は偏差値が上と下で３０以上開くのはこういった勉強法が大きく影響してしまっていると考えられます。

大切なのは原理原則を理解して、自分で応用できる力を付けることですが、意外とこれを分かっていない子が多いのです。

そういった子に有効な質問は、「なんでこうなるの？」というWHY系の質問です。丸暗記で覚えた子は全く答えられません。私はこの質問をよくするので、実力がつかない勉強している子は一目瞭然です。どれだけ点数や順位が上がろうが、実力が伴ってなければ、その場で満足して終わってしまうのです。しっかり見極めましょう。