様々なコメンテーターや教育論者が、「今年の受験生は可哀想だ。」「９月受験にしてはどうか。」など議論していますね。すべては子供の学校生活を守るためです。闊達に議論してもらいたいと思います。

一方で、今年の受験生は可哀想、という考えには少し違和感を覚えます。行事や部活が無くなってしまったことについては非常に残念ですが、受験勉強においてはどうでしょうか？

３ヶ月分の授業が無くなって、その分の負担が６月以降にやってくるからでしょうか？

夏休みが無くなり、復習に費やす時間が無くなってしまったからでしょうか？

学校や塾に通えず、勉強を教えてもらえる環境が奪われたからでしょうか？

正直いろいろ考えてみましたが、たとえ休校になっても、自分で考えて先取りをして取り組めばいいと思います。現にそうやって勉強している子もたくさんいます。

夏休みが無くなって一番悲惨な思いをする子は、１，２年での勉強を疎かにしてきた子でなおかつ勉強に対して受動的な子です。基礎固めがしっかりできていない状態での夏休みへの突入は、例年でもかなりのダメージなのに、今年は自学時間が奪われる分、大きなハンデを負うことになります。ただこれも、結局は分からない所をスルーして基礎固めをしてこなかった自分の責任です。

また知識のインプットも今の時代簡単にできます。今の時代、YOUTUBEにも非常にわかりやすい動画が転がっているのですから。常に受動的に、授業をうけないと新しいことを学べないなんて子は、受験勉強どころかその先大学生、社会人になってから相当苦労することになるでしょう。

結局のところ、コロナであろうがなかろうが、やる子はやりますし、やらない子はやりません。今回はやらなかった子は、かなりダメージを負っていることになると思います。９月以降の実力は大きく２分することになるでしょう。

学校に行ってないからと言って危機感がない３年生は話になりません。私は、高校生の面談で言うことがあります。それは、「危機感」と「忍耐力」は受験に不可欠なものだが、他人が授けることができないということです。今回はコロナという環境がかなりの危機感を与えてくれたはずです。それでも動けないから、コロナ禍がなかったとしてもきっと動いていないでしょう。

この先基礎固めができずに夏休みに入る子は、相当覚悟をもって臨まなければなりません。１日８時間程度勉強して満足している子は落ちます。夏までに基礎固めができていないとはそれほどのハンデなのです。