いよいよ夏休みが始まりました。当塾でも夏期講習が始まりました。当塾はおそらく他の塾とは夏期講習への考え方が大きく異なると思います。というのも、夏期講習で１０コマとろうが、３０コマとろうが、やる課題量は皆同じだからです。

私が以前アルバイトしていた塾の夏期講習はコマ数を取った分だけ授業をしていたので、１０コマ取っている子なら約１０時間分しか塾のフォローがないなど、コマ数がそのまま勉強量の差になっていました。少ないコマ数でも自分で意識的に勉強できる子ならいいですが、勉強できない子の多くは、夏期講習をたくさん取得する分自習時間が削られるため、その場では理解できても適切な復習ができずに知識が定着しないという逆転現象が起こってしまっていました。

勉強ができる子（勉強への意識が備わっている子）ほど実力を伸ばし、勉強ができない子（勉強への意識や習慣がない子）ほど、たくさん夏期講習を取得しているのにも関わらず実力が伸びないのです。これは、この夏に夏期講習を受講している方は注意が必要です。

そもそも夏休みに中３受験生なら１日６時間勉強時間を確保するとして、４０日で２４０時間です。これを塾の夏期講習ですべて賄うことなどできません。当塾でも通常講習の最大取得コマ数は３０コマ（３０時間）なので、残りの２１０時間分は自分で取り組む、自学自習に委ねられるわけです。この部分をしっかりサポートするべきだと考えて当塾の夏期講習は組まれています。

当塾の夏期講習のコマ数の差は勉強量の差ではなく、塾長のチェックと適宜必要なフォローの手厚さの差になっています。勉強への意識がまだ低い子や習慣化できていない子だと、正しいやり方で勉強できていないことがあります。例えば、とにかく終わらせることを一番に考えてテキストを進めたり、分からないのにスルーしたり、間違えたところを赤で正しい答を書き写すだけで終わらせたり、などといった取り組みです。そういう子には講習のコマ数を増やしてたくさんチェックが入るように提案しています。

一方で、コマ数を取得せず、塾の計画表にそって自分で進めていく子もいます。ある程度勉強の意識があり、習慣化できていれば、この自学自習が最強の勉強法です。

正しい意識でしっかり量をこなすことで、この夏休みに盤石な基礎を作り上げ、実力を伸ばすことができます。さらにもう１つ注意点を上げるとすれば、１冊のテキストを完璧にするということです。

塾の宿題や学校の宿題、自分で用意したテキストなどいろいろなものを手を付け、結果１周ずつしかできない、というのは勉強効率を落とすことにつながります。自分に合ったレベルのテキストを周回し、できない問題、理解できない問題を１つも残さない、という取り組みを目指しましょう。当塾の夏期講習では間違えた問題は３回解けるような計画になっていますし、生徒のレベルに合わせてテキストも変えています。

塾の夏期講習にありがちな、分厚い合本を買って講習で進めてはいるけれど、講習の授業でやった部分しか進まず、自習では一切取り組まず、復習もせず、宿題だけ早く終わらせようとし、全てのテキストが中途半端な１周で夏休みを終えてしまう、と言ったことにならないよう注意しましょう。