塾講師として多くの生徒の受験勉強を見てきましたが、こういうタイプの子は大学受験で苦労するなという典型的なパターンがあります。

それは、定期テストに向けた取り組みが全く改善されない子です。要するに、定期テストで点数が取れなかったとしても、それを次のテストで改善しようと動けていない子、ということです。

定期テストは受験に向けた基礎固めのチェックポイントのようなものです。もしできなかったとしても、テスト勉強の取り組みを改善したり、早めに準備をしたりと、何かしら改善して次に臨まなければなりません。

大学受験で苦労する子は、テストが終わって結果が返ってきたその時だけは、「ヤバイ、次は頑張ろう！」と意気込むものの、数日でその熱は冷め、いつも通りの生活に戻り、何ら改善することなく次のテストを迎え、また同じことを繰り返します。

心のどこかで 「受験生になったら頑張ろう」「部活終わったら頑張ろう」などと考えてしまい、今すべき努力を先延ばしにしてしまうわけです。

このような状態で３年生になると、定期テストごとに基礎固めができていないため、基礎を再度やり直さなければなりません。この時点で相当な時間のロスです。さらに苦労の先延ばしに慣れてしまった子は、勉強の負荷に弱く、自分を追い込むことができません。「今までよりは頑張ってる」「自分なりの努力」という、甘い評価基準をもってしまいがちです。

こんな状態で偏差値が上がるほど大学受験勉強は甘いものではありません。

一部の楽観的な子に伝えておきたい事実があります。１、２年の定期テストが赤点などで悲惨な状態でも、３年生になって一気に勉強量をあげて実力を伸ばして偏差値を上げる子は確かにいます。ただし、これにあてはまるのは一部の高学力層の子のみです。本来取れる素質があるのにサボっていた、というだけです。

多くの子はそうではありません。実力がついていないのにそこから目を背けてきた子がほとんどです。３年生になって頑張ればなんとかなる、という甘い考えは今すぐ捨てて、今すぐ動き出しましょう。