夏休みまであと１ヶ月を切りました。高校１年生は、高校生になって初めての夏休みを迎えます。私が高校生のとき、初めての夏休みで感じたことは、「今って本当に夏休みか！？」です。学校の補習もあり、部活もがっつりありで、普段よりも忙しい日々を送っていたような気がします。そのギャップに戸惑う１年生も少なくないと思います。

高校２年生は中弛みしやすい学年ですが、受験範囲の半分以上はすでに履修済みだということを理解しておかなければなりません。この先、学校で一から教えてくれることはありませんよ。つまり、必要なところは自分で復習して、定着させていかなければ、すべて来年の借金になります。受験までに返済できなければ不合格なわけですが、この夏休みで完済しておくことをお薦めします。

高校３年生は言わずもがなですね。この１ヶ月半の過ごし方で１０月の模試の結果が大きく変わります。それは当然合否にも直結します。

特に受験生に向けて、ですが、高校生の夏休みの過ごし方で注意しておくべきことがあります。細かい点を入れれば山ほどありますが、その中でも重要な３つをまとめておきました。しっかり頭にいれて、夏の過ごし方のヒントにしてもらいたいと思います。

①学校の補習、宿題を受験勉強にカウントするな！

これは毎年言っていますが、重要なことは何度も言います。高校生は学校の補習がありますが、その補習を自分の受験勉強にカウントしてはいけません。学校の補習が朝から昼まで５時間くらいありますが、自分の受験にどれだけ意味があるのかをよく考えてください。受験教科ではないのに受けなければならない、明らかにレベルの高い問題をやらされる、自分の知っていることを長時間かけて説明される、など、そもそもレベル差があり志望校が異なる集団に同じ授業をする時点で合わない確率の方が高いです。それを聞くだけで満足して、受験勉強に算入してしまうなど言語道断です。また補習のための予習に何時間も使うのも全く無意味です。翌日、数分で説明されるであろう古文の現代語訳を１、２時間かけて訳すなんてコスパ最悪です。

受験勉強とは、自身の志望校合格のために自分が取り組んでいる自学自習のことです。

また高校１，２年生も部活にかまけて勉強をサボることのないよう気を付けましょう。大学受験までの夏休みは３回しかありません。たった３回です。１回でも無駄に使えば、進路に大きく影響することを忘れてはいけません。

②インプットにばかり時間を使うな！

勉強は、入れた知識を使うときに力がつき、反復することで定着します。知識を入れるだけでは実力は付きません。ここを勘違いして、参考書や教科書を何時間もかけて読んだり、単語を何時間もやったりとインプット学習だけに時間を使ってしまうと、勉強している感で満足してしまう一方実力はついていないという、恐ろしい結果を招きます。それがはっきり分かるのが、１０月の模試なのですから笑えません。

もちろんインプットが必要ないと言っているわけではありませんが、インプットはアウトプットとセットで取り組んで初めて効果が出ます。夏休みはアウトプット中心に問題を解き、抜けている部分をインプットで補っていく形で取り組んでいきましょう。

③スマホ・睡眠・休憩の管理は徹底する！

まず最優先はスマホの管理です。ついつい通知が来ると気になってしまう。１問終わるごとにスマホを手にとってしまう。これを続けていると、集中力が醸成されず、どれだけ長時間机に座っていても勉強効率はあがりません。ほんの１，２分通知をみるくらいいいじゃん、と思う子もいるかもしれませんが、人間の脳はすぐに集中モードに切り替わりません。スポーツや武道、芸能でもそうですが、最初からマックスの集中力で取り組むことはできないのです。取り組んでいく中で徐々に集中力を高めていき、ゾーンに入ることができます。高い集中力で取り組むには時間が必要なのに、それが途中スマホでリセットされてしまうわけです。使っている時間の問題ではないのです。（集中力について詳細はこちら。）少なくとも私が当塾で見てきた子で、受験で結果を残してきた子は、スマホを使っているのをほとんど見たことがありません。

次に睡眠の管理です。夏は外にいるだけで体力が奪われます。また補習もあり朝早くから起きて昼過ぎまで勉強した上で、その後自分の受験勉強がスタートします。その時点で体力は半分くらいは削られているかもしれません。だからといって寝たいときに寝たいだけ寝る、なんてことをしていて合格できるほど受験は甘くはありません。みんなが勉強している時間に２時間も３時間も寝て、それが４５日間続いてみてください。絶望的な差になります。今A,B判定の子ならまだギリギリ滑り込めるかもしれませんが、C,D,E判定の子が余裕で寝てしまうのは勝負を捨てているようにしか思えません。

もちろん寝るな、と言っているわけではありません。仮眠をしっかり管理することが必要不可欠だということです。どうしても我慢できなければ時間を決めて、アラームを付けるなりして自分でしっかり管理しなければなりません。

最後に休憩の管理です。休憩時間は予め決めてその中で頭を休めるのが基本です。ダラダラとやる気が出るまで休憩する、なんてのは大学を目指す高校生がする休憩ではありません。

一人で勉強する子なら難しくないと思いますが注意すべきは友達と勉強する子です。休憩時間を示し合わせるなら、時間の管理は徹底しなければなりません。休憩でちょっと話が弾んで３０分、１時間オーバーしてしまう、なんてことはあってはなりません。その友達がもし、模試でA判定、B判定の子なら、損するのはあなただけです。C,D,E判定の子で集まって休憩をたくさん取ってしまっている間、A,B判定の子が必死で勉強していればそれはもはや追いつけない差になってしまいます。現状、合格ラインにいないなら、できる限りすべての時間を勉強に費やさなければ受かりません。

受験勉強は、勉強の負荷に耐えられず、怠けていく子から脱落していきます。受験で逆転合格するとは、勉強に耐え、欲望を抑えて自分を律するという意識的な努力の積み重ねで生まれるものなのです。