テストで点数が取れる子と取れない子の大きな意識の違いに「ミスから学ぶ姿勢」が挙げられます。これは実は一般的な個別指導塾だとなかなか気づきにくいところです。

私が以前アルバイトしていた塾だと、生徒が間違えた時に、すぐに解説を加えていました。間違えたということは理解できていない、つまり解説が必要だという考えです。確かに生徒からすれば、間違えたら何も言わずとも隣から解説してくれるわけで、楽なことこの上ないでしょう。

さらに学校の宿題などは、やって提出すればクリアできてしまうので、内容の理解までは誰も見てくれません。理解できていなくても、解いて赤で直しをして提出していればOKなのです。一度お子様の宿題をみてください。「解説・解答の写生」がなされていないでしょうか？

これらには言うまでもなく大きな落とし穴があります。間違えた時に解説を読んで自分でミスを見つけ、それを以降の問題に生かす、という「ミスから学ぶ姿勢」が全く身に付かないのです。

長年塾でいろいろな子を見て来て、間違っているのに丸をつけている、分かっていないのにそのままにしている、という状態の子が非常に多いことに気づかされます。というよりも成績不振で塾に来る子の９０％はそのような状態です。勉強ができる子からしたら、解説を読んで理解しないなんて勉強の意味がないじゃん、と思うと思います。しかし、上記のような環境で誰にも何も指摘されずに勉強してきた子にとっては、それが当たり前になってしまっているのです。その凝り固まった考えをほぐして直す作業は根気が要ります。言ってすぐに直るようなものではないからです。

私は生徒に対して、解いた問題の解説を求めます。私が解説するのではなく、生徒にしてもらうのです。本当に理解していれば、自分なりに説明してくれます。理解できていない子はええと、あの～などと言って言葉を濁すか、ただ黙るしかありません。当塾の場合は、解説のないテキストを使っているので、解説を書いて理解した気になる、なんて状況にはなりません。分からなければ解答例を見たり、質問したりして、しっかり解決しなければならない環境にしています。

ミスした時にそこから学ぼうとする姿勢は勉強には必要不可欠です。遅くとも中学のうちにはしっかり鍛えていけるといいですね。