高校生は、学習量も多く、難易度も高く、授業スピードも速いため、常にテストを見据えた学習計画で取り組めないと、しっかり基礎が定着できないままテストを迎えてしまうことがあります。課題が全然理解できていないまま、山を張ってテストに臨んでしまっている子もいるのではないでしょうか。

この場合、結果的に点数が取れない子がほとんどだと思います。そして、直しをして基礎をしっかり固める間もなく、次のテストに向けた授業が始まってしまいます。このような生活の中で終わったテストの復習に取り組めている子は果たしているのでしょうか。きっと、喉元過ぎれば熱さを忘れるとばかりに、部活や遊びに意識が向かって、次のテストでまた同じことをしてしまうのだと思います。

高校において、定期テストで点数がとれない、というのはおそらく皆さんが思っている以上に深刻な出来事です。点数が取れていないということよりも、基礎が固まっていないまま次に進んでしまっているという状況が深刻なのです。

高校に限らずですが定期テストは、１つの単元を時間をかけて集中的に学習できるものです。実はこのようなチャンスは定期テストを逃すともうありません。テスト週間を除いて、１週間以上かけて同じ単元の勉強をやり続けたことがありますか？受験勉強ですらこのような取り組みはほとんどしません。このチャンスを逃し、基礎が固まっていない状態のままにしていると、その単元は癌となって少しずつ皆さんを蝕んでいきます。

基礎が固まっていない状態を放置すれば、その後の授業でも確実につまずき、その教科に対して苦手意識がつきます。苦手意識と言うのは非常に厄介です。その教科を勉強しようとする気すら失わせます。国公立大を目指す子であれば、致命的な失点になるかもしれません。私大を目指す子であれば、そもそもその教科を使わない大学を選ぶという進路選択をせざるを得ないことになるかもしれません。

いずれにしろ、それが受験や進路選択に大きな影響を及ぼす可能性が高いわけです。

現状、定期テストで点数が取れていない子は危機感を持つべきです。中学以上に高校は積み上げ教科です。特に高校１年生は、今つまずいている子が、これから何もせず何かがよくなる可能性はゼロです。癌のように皆さんの学習を蝕んでいき、気づいたときには手遅れということにもなりかねません。

危機感だけあおっておいて、何も改善点を示さないのは無責任なので、提案もしておきます。

①まず土日に今までの定期テストを再度解く。もしくは学校で使っている傍用問題集のA問題だけを解く。これでしっかり基礎が定着できているか分かります。

②次のテストに向けた課題はテスト週間など関係なく普段から進める。高校生は、テストが終われば次のテスト週間がスタートする、という意識でいるべきです。

③予習ではなく復習ベースの学習をし、授業での疑問点を決して残さない。授業スピードの速い高校の学習で疑問点を残すとあっという間に取り残されていきます。

まずはこの①～③を徹底しましょう。長期連休などは周りの子も復習をするので、差を縮めることはできません。土日祝日などにしっかり取り組んで今までの借金を着実に返済していきましょう。