勉強は積み上げていくものです。遡れば小１の足し算引き算からスタートしています。中学の内容は小学校の延長なわけですから、小学生の学習内容の定着度も受験では大いに関係しています。そのように小１から１１年間、コツコツ基礎を積み上げていき、目標とする大学合格の基準を満たすように勉強していくわけです。

逆に言えば、１１年間コツコツ積み上げていった借金はすべて大学受験までに返済しなければならないわけです。これができるかどうかを自分に問いかけてみてください。本当にできる子はもうすでに行動していると思います。できる、と口だけで行動が伴っていない子は、いつまでも今の環境や生活を何も変えることがないまま、莫大な借金を背負った状態で受験生になってしまうでしょう。

例えば月１万円借金したら、１１年間で約１３０万円になります。それを１年で返そうと思えば、月１１万円ずつ返済が必要です。想像してみてください。映画で見るようなダメおやじ。毎月親や奥さんから小遣いをせびり、パチンコやら酒やらに明け暮れ、ろくに何も努力しようとせず、ただ自分の欲望に従って生きてきたような人がある日から急に毎月１１万も返済できるでしょうか。

例は良くないかもしれませんが、本質的には同じことです。部活や遊びにかまけて勉強への努力を放棄し、現実を直視せず、何も改善せず、目の前のやりたいことや誘惑に負けてきた子が受験生になって突然１日８時間も９時間も集中して勉強できるようになるとは、私は到底思えません。

私は、自分に才能はないと思っていたので、受験生になってから頑張る、なんて考えは一切持ったことがありませんでした。高３ですぐに受験モードに切り替えて短期間で一気に実力をつける、なんて才能は自分にはないと最初からあきらめていました。その分、定期テスト毎にしっかり勉強して、何とか点数を取りに行こうとしていました。

「受験生になってから」「部活を引退してから」そんな短期間で結果を残せるような有能な人間なのかどうか自分に問いてみてください。誘惑に負けたことはないですか？睡魔に負け続けていませんか？気づけばスマホに手が伸びていませんか？定期テスト程度の分量の勉強で期限ギリギリに焦ってやっていませんか？それで結果が出ていればまだましですが、実際どうでしょう？テスト後に何かを改善しましたか？

自信を持って、私は大丈夫だと言える子は少ないと思います。短期間で勉強量を上げて結果を出せる人間はごくわずかです。ごくわずかだからこそ、ネットでニュースになったり、Youtubeで動画を上げたり、本を出版したりするわけです。そんなごく少数の成功者をみて、私もできる！と思わない方が賢明です。自分はそんな有能ではないと思うのなら、今からコツコツ返済していきましょう。