中３は受験勉強を頑張っている時期だと思います。受験勉強は入試で点数を取るための勉強、定期テストは内申点を取るための勉強です。共に受験で合格するためという目的は一緒ですが、性質は違います。特に歴史の勉強の仕方には注意が必要です。定期テストの勉強をしっかりやっていれば受験でも点数が取れると思ったら大間違いです。

例えば定期テストで出る問題はこんな感じです。

【元軍が２度、日本に襲来した出来事を何と言うか。】

しっかり課題をやっていれば、元軍が２度、という言葉ですぐにピンと来て答が出てくる子も多いと思います。定期テストはこのような典型的な一問一答形式であることがほとんどです。一方入試では以下のように出題されます。

【元軍が２度襲来した頃とほぼ同じ時期の我が国の社会の様子として適当なものはどれか。】

A.千歯こきなど新しい農具が発明された。

B.口分田が与えられた。また租調庸や兵役の負担が重く、逃亡する者もあらわれた。

C.牛馬を使った農耕が広まり、草や木の灰などの肥料の使用も普及し始めた。二毛作が始まった。

D.九十九里浜では大規模なイワシ漁がおこなわれた。イワシは加工され肥料として普及した。

…………………………………………

「元寇」というワードだけ知っていたとしても手が付けられないと思います。元寇が起こったのが何時代なのか、そしてその時代の社会情勢はどのようなものだったのか、という知識を知らなければ解けません。

定期テストは語彙力、つまりどれだけ語句を覚えられているかが問われます。一方で入試では理解力、つまり歴史の時代背景や流れなどを押さえられているかが問われます。そもそも問われる力が違うので、勉強の仕方も異なるのです。過去問をやる際は必ず年表と教科書を併用して直しをするようにしましょう。