どんな子でもケアレスミスというのは出てきてしまうものです。しかし、だからといって仕方ないと片づけてはいけません。平均９０点以上の層の子のミスは本当にうっかりが原因のミスかもしれません。しかし、平均層以下の子のミスは大方そうではありません。

例えば、数学で正しい答は出ているのに解答用紙に書き写し間違えた、なんてミスがあります。本人はケアレスミスだったと言いますが、解答を見てみると、途中式がまとまっておらず、メモなのか式なのかが判別できないごちゃごちゃな状態のなかで、一見どれが答えなのかわからない状態になっていました。確かに答えは出ていたのかもしれませんが、これが本当にケアレスミスといえるでしょうか。

私から言わせればこれは単に、分かりやすく途中式を残さなかった【意識欠如】が招いた必然性のあるミスです。

また、英語でよくある、ピリオドやクエスチョンマークのつけ忘れ、三単現のｓのつけ忘れ、時制のミスなど確かに見直せばできた問題だったのかもしれません。しかし、これらは普段から意識した上で、問題数をこなしていけば、確実に防げるミスです。

結局、【周回不足】が招いたミスといえます。

平均して９０点以上得点することができている子なら、たくさんの問題数をこなしているでしょうし、ミスから学んで同じミスを繰り返さないよう意識して解けている子が多いです。本当のケアレスミスはこれくらいの水準の子しかしません。

ケアレスミスの原因を「うっかり」と片付けてしまうと、内に潜んでいる本当の問題にふたをすることになります。９０点以下の子のケアレスミスはほとんどのケースでケアレスではありません。普段の勉強に対する意識欠如と周回不足が招いている必然的なミスです。

まずはミスを招いている本質的な原因を改善することが必要です。それをしない限り、同じような「ケアレスミス」をずっとし続けることになるかもしれません。