定期テストでしか点が取れない勉強とは？

定期テストは範囲が明確に決まっていて、出る問題もある程度見当がついてしまうため、知識を詰め込んでしまえば点数だけならそれほど苦労せず取れてしまいます。定期テストでどれだけ点を取れるかを重視している個別指導塾が多いのも現実です。

定期テストで点数を取ること自体は良いことです。しかしそれがしっかりと実力をつけた上で点が取れたのか、その場限りの詰め込みだけで取れてしまったのか。その違いが受験に大きく影響します。このページでは、その場限りの詰め込み勉強について解説します。このような勉強をしている子の多くが、学習診断テストや受験では点が取れません。そうならないようにしっかり正しい勉強を学びましょう。

一夜漬け、徹夜など、超短期に詰め込んだ知識というのは短期で出ていきます。数日程度しかもたない知識が、受験で生かせるでしょうか。定期テストの度に積み重ねていった知識が受験での実力の基礎となります。短期つめこみの勉強をしていると、受験時期に何の知識も定着していないことを自覚し絶望することになるでしょう。

ちなみに当塾では、１週間前からのテスト勉強も短期に入ります。

これを塾はやらせがちです。特に勉強ができない子にさせがちなやり方です。

課題を何度もやることについて意味がないとは言いません。問題は、やる手順をしっかり踏んでいるかどうか、です。テスト前２か月でいろいろな問題に取り組みながら基礎を固めていき、しっかりと基礎が固まった状態でテスト前に課題の反復に取り組んでいるのなら問題ありません。

解いた問題数が少なく、基礎が固まっていないのに、５回も１０回もやらせて答えを覚えさせるのは何の意味もありません。

特に数学でありがちですが、煩雑な計算が必要な問題で、解く過程を解説することなく裏技だけを教える塾があります。裏技というのは正攻法をしっかり理解できている子が時短のために使うものです。基本が定着していない子が裏技を使っても、定期テスト程度なら対応できるかもしれまんせんが受験で対応できるほど甘くはありません。

勉強ができない子には途中の難しい計算をなるべく解かせないようにする、という考え自体が間違っています。そこで苦労することが第一歩です。

学校のテストは作成する先生が分かれば、出題形式もある程度予想がつきます。塾によっては、テストを作っている先生を記録しておき、出題形式に合わせた勉強をさせるところもあるようです。

例えば英語において、並べ替え問題が出て、和文英訳は出ない、とわかっているテストで、並べ替え問題に偏重して勉強してしまうと言ったケースです。この場合、文型の理解を深めることはできますが、単語の暗記や英作文力が身に付きません。それが積み重なっていくと受験に影響を与えます。

出題形式を把握してそれにあった勉強をするのは受験に於いては王道です。しかし定期テストでそれをしていると知識が偏り、特にいろいろな出題形式がある大学入試では対応できません。

上記のような勉強は、定期テストには対応できても受験では対応できません。（推薦入試のように内申点だけで進学すると最初から決めている子はいいかもしれませんが）

これらの勉強が受験に対応できないということは誰も教えてくれません。誰かに指摘してもらえない限り自分で気づくしかないのです。気づけなかった子は、これらを当たり前だと思って勉強し続けるわけです。

模試で点数が全然伸びない、学診や過去問で全然できない、などの状況に陥っていませんか？そういった状況の子は、勉強のやり方が間違っている可能性が高いです。一番恐ろしいのは、現状に疑問を抱かず、効果の薄い勉強をし続けることです。

定期テストとは受験に向けたチェックポイントに過ぎません。定期テストだけを照準にあわせた上述の勉強は、その場では満足できる結果が得られても実力は付いていません。定期テストでは点が取れるのに、学習診断テストや模試、実力テストは全然できない子は、こういった勉強をしているかもしれません。